世界の果てに - 百年の光 -
「……そうか、祭壇のある場所の地下には、長い間使われてない牢屋がある…!」
「………!」
オレとエルがその言葉に目を丸くすると、オーガは別の地図を素早く取り出した。
「もしその地下牢にリオちゃんがいるとしたら、事は一刻を争うかもしれない……いいか、"神の祭壇"はここ。城の裏門から森を抜けた先の、遺跡にある」
「距離は?」
「そこまで遠くない。式典が始まると同時に遺跡も開放される予定だけど、今はまだ見張りも手薄なはずだ」
オレたちは顔を見合わせると、ほぼ同時に小さく頷いた。
「ーーー決まりだな」
「ああ。早くリオちゃんに…この剣を届けないと」
オーガの腰に揺れるのは、リオの長剣。これから自分の父親がその剣に命を奪われるのに、オーガの表情は柔らかかった。
オレに同じ表情ができるかと誰かに訊かれたら、答えはノーだ。
「……オーガは、全てが終わったらどうするの?」
ポツリと零れ落ちた疑問に、オーガは瞳を細めて笑った。
「そんなの、決まってる」
衝立を外し、小さく開いた扉の先から飛び込んでくる騒音。静かに呟かれたオーガの言葉は、やけにしっかりとオレの耳に届く。
「ーーー俺がこの国を護るんだよ」
オレとエルはどちからともなく笑って、アメルティカの次期国王の背中を追い掛けた。