世界の果てに - 百年の光 -
ーーーあたしは、バカだ。
この世界を、救いたいって。いざとなったら、あたしが犠牲になってでも救いたいって。
…そんなの、ただの戯れ言だった。
これから、生け贄に捧げられる。そう肌で感じただけで、こんなにも体が震えて、助けてと心が叫ぶ。
橋を渡りきり、祭壇へ辿り着いた瞬間、あたしは力なくその場に崩れ落ちた。
涙で頬を濡らしたまま、ゆっくりと顔を上げると、あたしを見下ろす国王の姿が映る。
国王は無言で剣を抜くと、その切っ先をあたしへ向けた。
「……嫌だ…、やめてっ…」
エル、アスティ…大好きなみんなの顔が浮かんで、自然に零れた懇願の言葉に、国王の瞳が揺れた。
剣の柄を握る手に、力が入れられたーーーその時。
「ーーーーーやめろっ!!」
大きく響いた声に、あたしと国王の視線が同じ方向へ向く。
「……オーガ…」
驚いたように、国王が自分の息子の名前を呼んだ。
この広間の入り口に立っていたのは、オーガとアスティ…そして、エル。
「………っ!」
みんなの姿を見た瞬間、諦めかけていたあたしの心に勇気が湧いた。
オーガが現れたことで怯んでいる国王目掛けて、あたしは精一杯体当たりをする。