もう一度、隣に。


あっという間に同窓会の日はやってきた。


「椎香~久しぶり~!」

「わぁ~久しぶりー!!!」


あたしは思いの外楽しんでいた。

ガヤガヤする居酒屋で、高校時代、美樹を含めて仲良しだった直子とりっちゃんと固まって座る。


乾杯のあと、いっせいにみんなが話し始めた。


あたりを見回しても彼の姿はない。

遅れてくるのだろうか。


始まって1時間たったころには、みんなの熱気でいつもより酔いが回っていた。

「ねぇ!高校のころさ、誰が好きだった!?」


盛り上げ上手なりっちゃんが周りにいる男の子も交えて言った。


昔の恋の話しで盛り上がり、あたしも笑って聞いていた。


「あたしの名前がなーい!」

直子が叫ぶ。


「俺は美樹一筋~」

よろよろになった陽太が美樹に言うと、

「お前らはずっと付き合ってんだろー!」

と陽太と一緒にいた大樹が言い放つ。

続けて、

「……つかさ、椎香と泰介って何で別れたの?」


いかにも不思議そうな顔で聞いてきた。
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