もう一度、隣に。


「何でって…忘れたよ~もう何年も前だし。」

何でもない風に取り繕う。

「何年もってことはないだろー!

俺の中で椎香と泰介は青春そのものって感じだったね!

憧れてたな~」


ビール片手にしみじみ言う大樹。

あたしは笑って返したけど、いたたまれなくなって酔いざましがてら外に出た。



「さむっ…」

外は店内とかなりの温度差でブルッと震えた。

酔いが回って真っ赤になったほっぺたが風に当たって気持ちがいい。


「青春そのもの…か。」


大樹の言葉を呟きながら思い出していた。


夏の暑い日でも手をつないでアイスを買いに行ったこと、テストの点を競いあったこと、やきもち妬いてケンカしたこと、自転車の2人乗りしたときの泰ちゃんの背中が大好きだったこと…。


高校生なりに本気で恋愛をして、本気で永遠を信じていた。


あれから4年経っても、後悔ばかりが残るあたしは、全然前に進めていない。


「し…いか?」

声がして振り向く。

「え…」


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