もう一度、隣に。
あたしを呼ぶほうを見て、すぐにそらした。
…泰ちゃんだったから。
泰ちゃんが呼んでいるのをあたしは無視し続けていた。
「椎香…!あのときは本当にごめん!悪かった!
俺、今でも椎香が好きだ!
もう1回、チャンスくれないか!?」
必死に叫ぶ泰ちゃんに、周りにいた子たちが静かになってあたしを見てくる。
でもあのときのあたしは、意地を張ってしまったのか、それに答えることが出来ず涙をこらえて走り去った。
あの日、もっと素直になっていれば未来は違ったのかもしれない。