honey blood
【紫】



久しぶりに態度のデカい人間に会った。



顔は上の中ってとこか?



だけどアイツ、今まで嗅いだことねぇくらい甘い匂いがする。



大の甘党の俺にはヤバい匂い。



うまそう…。



ホームルームが終わってから、逃げようとしてるコイツを捕まえた。



「まず名前教えろよ」

「誰が教えるかっ!!ってか離せよ!!」

「暴れんじゃねぇよ。雪丸、コイツなんて名前?」



『林 蜜ちゃんだよ~』



ミツとはまた…名前まで甘ったるい…。



「ちょっと付き合え」

「は!?どこに!?」

「俺といいことしようぜ?」

「死んでもお断りなんですけど!!」



無視がいちばん手っ取り早い。



俺から逃げた罪は重てぇよ?



抱えた蜜をそのままにして図書室に向かった。



途中、ジタバタ暴れるもんだから眠らせてやろうかとも思ったけど、それじゃあ面白くない。



この暴れん坊、調教でもしてやりてぇな…。



なんてS心が発動しそうになっちまった。



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