秘密
SIDE.今野珠子
珠子は悠平と共に、いつも通り非常階段へ向かってた。珠子は今日も変わらず二つの弁当を抱えている。
珠子はあれ以来、再び悠平と昼食を取るようになっていた。もちろん、悠平の弁当も珠子が作ったものだ。
「門田君」
「何だよ」
「門田君、今も変わらず雨宮先生と会ったりするの?」
「そりゃあ会いもするだろう。ここは学校だからな」
「違う、二人でだよ」
はぐらかすように余所を向く悠平に、珠子は急かすように聞いた。
悠平だって、本当は珠子の言葉の意味を解っている。
二人は階段に並んで腰掛けると、互いに弁当の包みを開き始めた。
「……会っているさ。回数は減ったけどな」
悠平が哀愁の籠った声で呟いた。
珠子は何と声をかければ良いか分からず、黙ってしまった。