秘密
SIDE.今野珠子
悠平の部屋に入り、珠子は履いてきた白いパンプスを脱いだ。
部屋の中は外の猛暑と一変し、ヒンヤリとして、暫くすると汗がひいた。悠平が気を利かせて冷房をつけてくれていたらしい。
珠子はベッドとテレビの間、シンプルなガラステーブルの前に座った。
「涼しい……」
「だろ。感謝しろ」
得意げに言う悠平に、珠子はおかしそうにくすくすと笑った。
悠平が二つのグラスに麦茶を注ぎ、氷を浮かべた。
そしてその片方を珠子に渡す。
「……ありがとう」
珠子は礼を言ってグラスを受け取った。
珠子の隣りに悠平が座る。
「……どうして誘ったの?」
珠子は一息吐くと、昨夜から少し疑問に感じていたことを口にした。
「彼女を部屋に呼ぼう、っていうのは、普通じゃないか?」
悠平は、まるではぐらかすように笑った。
それはまるで、はぐらかすように。