秘密
SIDE.門田悠平
夏休みが来るなと思った。
あれ程悠平が来て欲しくないと思った夏休みも、今では無関心に等しい。
その放課後、一週間ぶりに悠平は好美と会うことにしていた。
もちろん宿直室に入るのも久し振りだ。
珠子は事情を知っているので、宿直室へ行くと言えばその意味を理解していた。彼女は先に帰ったらしい。
「……失礼します」
小さく声を掛けて、悠平は宿直室に入る。
好美の声が返ってこないので、まだ好美は来ていないのだと確認すると、悠平は宿直室の奥へと進んだ。
畳の上に腰を下ろし、悠平は何やら考え事をしている。
暫くして、好美の声と共にドアが開く音が聞こえた。悠平は考えるのをやめて、好美が入ってくるのを眺めた。
「門田君、待たせてごめんね」
「うん、平気だよ」
「こうして会うのは久し振りね。やっぱり嬉しい」
「……」
好美は酷く嬉しそうに笑った。
ああ、好きだ。
そう実感した。