電話越しの君へ
「……条件がある」
俺の感情のない声に仲間は眉をひそめる。
「なんだ……金か!?」
その台詞に顔がニヤつく。
まるで一昔前の安っぽいドラマのようだ。
どうやらこいつは名前だけでなく発想も古くさいらしい。
「んなもん誰がいるかよ。
……綾瀬への告白を取り消せ」
俺の言葉に仲間は目を見開く。
「綾瀬さん……!?」
汚らわしい口から出た愛しい名前。気付いたらもう一発殴ってた。
「お前が口にしていい名前じゃねんだよ…!!綾瀬くるみは俺の女だ、勝手に手ぇ出すんじゃねぇ!!!」
「ひっ……わ、分かった!!悪かった!!取り消す!!」
ほとんど半泣きだった仲間は逃げるように去っていった。