空白の時間=友情>愛情

事実

「ボクは生まれてすぐに母の実家に預けられました。そして、賢二兄さんが行方不明になった翌年から…ボクはこの家で生活するようになりました」

オレは無言のまま翼を見つめた。

「先生は亡くなった父をよくご存知ないと思います」

オレはうなずくだけだった。

高校時代も海外出張が多いという広沢寛治氏と顔を合わせた記憶がほとんどない。

「ボクは父の子供ではありません…」

「なんだって!!」

「父の血液型はB型、母の血液型はO型です。B型とO型からA型は生まれません」

翼は表情ひとつ変えずに話し続けた。



「ボクの本当の父親は賢二兄さんです!!」
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