強欲な女
妊婦に工場の仕事は無理だと言われて私は仕事を辞めた。



赤ちゃんと恭平の事だけを考えて過ごす毎日が始まった。



相変わらず仕事が忙しい恭平。



でも前みたいにものすごく苛々することは無くなった。



恭平の子がお腹にいると思うと不思議と心に余裕ができた。



「今日もパパ遅いのかな………。」



私はお腹を撫でながらお腹の子に話しかけた。



雑誌にお腹に話しかけるといいと書いてあったので一人でもたまに声をかけるように心がけている。



『ガチャ』



まだ夕方なのに鍵が開く音がしてビックリした。



「恭平?」



「ただいま。」



「どうしたのこんな早くに……。」



「真美と出かけようと思って早く切り上げた。ほら行くぞ。」



突然のことだったので私は急いで支度をして恭平の車に乗った。










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