俺だけのお姫様
そんな子が、玄関で俺を待っているんだ。
これほど幸せなことは無いだろう。
だが、今となっては‥‥
「あら渚ちゃん、おはよう。毎朝、迷惑かけるわねえ‥‥」
「あっ、おはようございます、おばさん。全然大丈夫ですよ!」
そう言って微笑む彼女は、まるで太陽みたいに眩しかった。
「渚ちゃんも、幸平なんかと“幼なじみ”なんて、大変よねぇ」
お袋の放った言葉が、嫌に頭に残る。
今となっては‥‥これほど辛いことは無い。