俺だけのお姫様

俺は階段を駆け降りて、玄関へと出た。
時計を確認して、遅刻の焦りを覚える。

ああもう、何で昨日の夜に限ってラピュタの再放送があるんだ。
おかげで寝坊したうえ、ムスカが頭から離れない。

「幸平、遅刻しちゃう!走ろ!」

「‥‥ちょっと待ってろ」

俺は渚を呼び止め、車庫に向かった。
中から、一台の自転車を取り出して、渚を手招きする。

「後ろ乗れ!こっちの方が速い」

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