俺だけのお姫様

一瞬で、顔が熱を持ったのがわかった。
心拍数が上がり、心臓の音が耳に五月蝿い。

渚に聞こえてないだろうか。
聞かれたくないな。
笑いながら、どうしたの?なんて聞かれたりしたら、それこそ顔中が真っ赤になる。

俺は脇目も振らず、真っ直ぐ前を見ながら、強くペダルを踏み込んだ。

「あ、野良猫!可愛いね、幸平」

お前の方がよっぽど可愛いよ、渚。

そんなこと、言えるわけ無いけど。

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