嘘から始まる恋
キスする意味
「…早っ」
「おはようございます」
青空が晴れ渡る中、若干呆れ顔の成瀬くんに頭を下げて挨拶をする。
私はいつもより更に早起きして成瀬くん家に迎えに行った。
もちろん成瀬くんが家から出てくるより先に着いた。
「大丈夫なの?」
「何が?」
首を傾げる私に成瀬くんは溜め息をついた。
「風邪だよ、風邪」
「あ、うん…って何で知ってるの!?」
ここんとこ会ってなかったし、風邪引いた日も成瀬くん忘れて帰ったのに。
「裕也におんぶされてるお前見て、事情聞いたんだよ」
「なるほど…。裕也くんと友達だもんね」
そっか、そっか。
うんうんと頷いていると、成瀬くんに額を触られる。