嘘から始まる恋
「な、なに…っ!?」
「いや、熱下がったのかと思って」
熱はないみたいだな、と歩きだした。
いやいや、いきなり触れないでよ。
緊張すんじゃん!
「この前、変だったのも熱があったから?」
「変?」
私はいつだって至って普通なんだけど。
「俺の手払いのけて、俺の質問に答えなかっただろ?」
覚えてないの?と怒った表情をされる。
「あ、あれは成瀬くんが…」
「俺が?」
「いや、その…何でもないです」
言えない。
成瀬くんにドキドキしてたなんて。
「まぁ、いいけど」
はぁ〜…と溜め息を吐き、学校へと向かい足を進める。
成瀬くんは私とキスして何とも思わないのかな…。