冬恋。
転校生
10分ぐらいかけてゆっくり歩いて川につくと、人だかりができていた。
バーベキューをしている人、川で泳いでる人。同じく犬をつれて遊んでる人。その他にも人はたくさんいた。
その内ほとんどが家族や友達。
見たことない人ばかりだから、遠くから来ていることが分かった。
この辺の人は大体分かるし……。さすが田舎って感じだよね。
「ちょっと、ろうた!!そんなに暴れんなって……くすぐったいっ」
「わん!!」
「お兄ちゃん。恥ずかしいからやめて」
川に近づいていくと、ある兄妹の会話が耳に入った。
その兄の声が海さんに似てる気がした、けど違うよね。
まさかね。犬ときゃっきゃ騒ぐ人が海さんなわけ……。
「あれ。ゆあじゃん」
名前を後ろを振り向くと、犬をつれた海さんの姿。
本当に海さんだった─────ッッ!!
「海さん……ってこんなキャラだったんですね」
最初の優しそうで静かな海さんのイメージを返せぇぇ!!
「え? まさかさっきの……」
見てた?と不安そうに言う海さん。
「ばっちり」
ピースサインをして言ってやった。もちろん笑顔で。
「見てたの!? なんで声かけてくれなかったんだよゆあ!!」
「だって海さんだと思わなかったですし」
「もう……」
海さんの顔が赤くなる。
本人の海さんはそれに気づいてないのか手で顔を隠そうともしない。
「お兄ちゃん」
お兄ちゃん……??
「あれ、その子誰?」
海さんの陰に隠れながら私の顔を見てくる。
ってことは、海さんの妹?
「僕の友達のゆあ。家が近所なんだよ?」
「ご近所さん……?」
もしかして人見知り……じゃないか。
友達になりたいって思ったのは私だけだろうか。
「七海、挨拶しな」
「うん」
そう言うと、海さんの陰に隠れていた妹さんが私の前にきてペコっとお辞儀をする。
「初めまして、七海です。えっとー……、学年は中2です。よろしくお願いしますね、ゆあさん」
うわあ、すっごい丁寧……。
海さんも言ってたけど、本当に私と同級生なのかな。
一言で言うと可愛い。
髪型はショート、それにちょっと茶髪で。
目はぱっちり二重、小顔なのか目が大きく見える。そして同級生とは思えないような大人っぽさ。身長はあたしより少し小さいぐらい……かな。
これはモテる!!
「こちらこそよろしくねっ、ちなみに私も中2だから敬語いらないよ」
「え!!同級生?! よかったぁ。改めてよろしく!」
笑顔がまぶしい。七海ちゃんかわいすぎ……。
「で、ゆあはどうしてここに?」
タイミングを見計らった海さんが言う。
「犬と水遊びしようと思って来たんですよー」
「水遊び……っっ!!」
海さんはお腹をかかえて笑いを必死にこらえている。
幼い……かな? いやでも海さんも遊んでたよね?!
「お兄ちゃん、人のこと笑えないでしょ」
「それとこれとは話が別!!」
再び兄妹トークが始まった所で「じゃあ、ラテと遊んで来ます」といって川へ入っていった。
水に入るとそんなに冷たいわけでもなく、とても気持ちよかった。
浅い所でラテと遊ぼう、そう思っていたがラテは私のことなんかお構いなしにどんどん深い所に進んでいく。
「ラテ……これ以上い……あああああっ」
膝上ぐらい水が深い所にきたとき、水圧にまけて派手に転んだ。
石が少なく砂が多かったことと、リードはつかんだまま。というのがまだマシだった。
しかし服はびっちょり。
暑いと言うものの、やっぱり服が濡れると肌寒く感じた。
とりあえず起き上がり、犬を抱えながら川を出て日なたに座った。
「どーしよう、やっぱりこのまま家に帰るか。それとも……」
一人でどうしようか迷っていると「ゆあ?」と海さんの声がした。
「海さーん……」
「どうしたのゆあ……って、服びっちょりじゃん。早く着替えなきゃ!!」
海さんは自分のことのように焦って言う。
「んじゃ着替えますかね……、このまま帰るの頑張ります!またねです海さん」
ペコっとお辞儀をして帰ろうとすると「待って、何で帰るの?」と聞かれた。
「歩きですよー」
「歩きで帰ろうとしたの!?その服で? ゆあ、僕が送っていく」
海さん優しい。
でも、送っていくってなにで……?自転車の二人乗り?
「ありがとうございます、海さん」
「まぁ当たり前だよね。こんな格好の子を歩いて帰らせるとかできない」
海さん、なんでこんな会ったばっかりの私に優しいんだろう。
こんな優しい兄を持つ七海ちゃんがうらやましく思えた。
「すぐ近くにバイクあるからそこまでだけ歩いてね」
……ん、バイク??
「海さんバイク運転出来るんですか?」
「うん」
歩きながら会話をする。
ところで、らなどうしよう……。
「お兄ちゃん達、やっと見つけたーっ!!」
タオルを片手に、七海ちゃんが私達の所へやってきた。
やっぱり七海ちゃんの笑顔が眩しい……。
「はい、ゆあちゃん」
そう言って私にタオルを差し出してきた。
「え?」
「ちょっとでも拭けば寒くなくなるかなと思って、使ってね」
そしてまたニコっと笑う。
この兄妹優しすぎる。私もこうやって人に優しく出来たらいいのに、と思った。
「後、犬はアタシが預かっていいかな。家まで犬連れて行くよ」
すっごい気が利く……。
嬉し過ぎて瞳が少しだけ潤んだ。
「お願いしていい?七海ちゃん」
「もちろん」
そんな会話を交わしてる時、海さんは私の頭にスポっと音がしたようにヘルメットをかぶせた。
「じゃあ、七海。犬をお願い。そしてゆあ!早く乗って」
「はい!!」
「犬は無事にアタシが連れて行くので心配せず~」
リードを七海ちゃんに渡して、バイクに乗る。
「しっかりつかまってろよ?」
「はーい」
こうして私は初のバイクを経験したのだった。
暑いのに、風が心地よく感じる。
そして海さんがカッコイイ。
「ゆあ」
「はい?」
信号待ちをしてる間、海さんに話しかけられる。
「今日、都賀くんと何かあった?」
あ……、そうだった。今日都賀に告白されたんだっけ。
本気で忘れてた。
「んー、告白されたぐらいですね」
「告白?!返事はどうしたの?」
「いいよって言いました……」
丁度信号が青に変わる。
海さんは何かいいかけたけど、私には聞こえなかった。
それから1,2分バイクに乗り、当たり前のように家についた。
「ここだよね?」
「はい!! 海さん、ありがとうございました」
ペコリと頭を下げてお礼を言う。
「いえいえ。じゃあ僕は外にいるから」
「……え?」
私はきょとんとする。
だって外、暑いし家の中はいっていたほうがいいのに。
「七海が犬つれてくるからさ。まぁ、迷子にはならないと思うけど」
「でも……、外暑いですし」
「大丈夫だって。ほら、早く着替えてきなよ」
そんなこと言われましても……。
やっぱり、外で待たせるわけにはいかない。
「海さん、私の部屋で待っててください」
「え??」
「私の部屋からのほうが外よく見えますし」
反対する海さんを半ば強制的に部屋へと連れ込む。
「彼氏さんに悪いよ」などと言っていたが、そんなことは無視した。
「とりあえず、逃げないでくださいね。シャワー浴びてきますから」
「……」
海さんは何も言わない。
流石に嫌だったかな……。でも外で待たせるわけにはいかなかったし……。
「ごめん、女の子の部屋って慣れてなくて……」
意外な海さんの言葉にびっくりする。
「意外……」
「ああもう……、ゆあ!!早くシャワー浴びてきなよ」
ほんのり海さんの顔が赤くなった。
そんな海さんが、やっぱりかわいいなと思った私。
「じゃあ、行ってきます」
そう言って私はお風呂場へと向かって行った。
バーベキューをしている人、川で泳いでる人。同じく犬をつれて遊んでる人。その他にも人はたくさんいた。
その内ほとんどが家族や友達。
見たことない人ばかりだから、遠くから来ていることが分かった。
この辺の人は大体分かるし……。さすが田舎って感じだよね。
「ちょっと、ろうた!!そんなに暴れんなって……くすぐったいっ」
「わん!!」
「お兄ちゃん。恥ずかしいからやめて」
川に近づいていくと、ある兄妹の会話が耳に入った。
その兄の声が海さんに似てる気がした、けど違うよね。
まさかね。犬ときゃっきゃ騒ぐ人が海さんなわけ……。
「あれ。ゆあじゃん」
名前を後ろを振り向くと、犬をつれた海さんの姿。
本当に海さんだった─────ッッ!!
「海さん……ってこんなキャラだったんですね」
最初の優しそうで静かな海さんのイメージを返せぇぇ!!
「え? まさかさっきの……」
見てた?と不安そうに言う海さん。
「ばっちり」
ピースサインをして言ってやった。もちろん笑顔で。
「見てたの!? なんで声かけてくれなかったんだよゆあ!!」
「だって海さんだと思わなかったですし」
「もう……」
海さんの顔が赤くなる。
本人の海さんはそれに気づいてないのか手で顔を隠そうともしない。
「お兄ちゃん」
お兄ちゃん……??
「あれ、その子誰?」
海さんの陰に隠れながら私の顔を見てくる。
ってことは、海さんの妹?
「僕の友達のゆあ。家が近所なんだよ?」
「ご近所さん……?」
もしかして人見知り……じゃないか。
友達になりたいって思ったのは私だけだろうか。
「七海、挨拶しな」
「うん」
そう言うと、海さんの陰に隠れていた妹さんが私の前にきてペコっとお辞儀をする。
「初めまして、七海です。えっとー……、学年は中2です。よろしくお願いしますね、ゆあさん」
うわあ、すっごい丁寧……。
海さんも言ってたけど、本当に私と同級生なのかな。
一言で言うと可愛い。
髪型はショート、それにちょっと茶髪で。
目はぱっちり二重、小顔なのか目が大きく見える。そして同級生とは思えないような大人っぽさ。身長はあたしより少し小さいぐらい……かな。
これはモテる!!
「こちらこそよろしくねっ、ちなみに私も中2だから敬語いらないよ」
「え!!同級生?! よかったぁ。改めてよろしく!」
笑顔がまぶしい。七海ちゃんかわいすぎ……。
「で、ゆあはどうしてここに?」
タイミングを見計らった海さんが言う。
「犬と水遊びしようと思って来たんですよー」
「水遊び……っっ!!」
海さんはお腹をかかえて笑いを必死にこらえている。
幼い……かな? いやでも海さんも遊んでたよね?!
「お兄ちゃん、人のこと笑えないでしょ」
「それとこれとは話が別!!」
再び兄妹トークが始まった所で「じゃあ、ラテと遊んで来ます」といって川へ入っていった。
水に入るとそんなに冷たいわけでもなく、とても気持ちよかった。
浅い所でラテと遊ぼう、そう思っていたがラテは私のことなんかお構いなしにどんどん深い所に進んでいく。
「ラテ……これ以上い……あああああっ」
膝上ぐらい水が深い所にきたとき、水圧にまけて派手に転んだ。
石が少なく砂が多かったことと、リードはつかんだまま。というのがまだマシだった。
しかし服はびっちょり。
暑いと言うものの、やっぱり服が濡れると肌寒く感じた。
とりあえず起き上がり、犬を抱えながら川を出て日なたに座った。
「どーしよう、やっぱりこのまま家に帰るか。それとも……」
一人でどうしようか迷っていると「ゆあ?」と海さんの声がした。
「海さーん……」
「どうしたのゆあ……って、服びっちょりじゃん。早く着替えなきゃ!!」
海さんは自分のことのように焦って言う。
「んじゃ着替えますかね……、このまま帰るの頑張ります!またねです海さん」
ペコっとお辞儀をして帰ろうとすると「待って、何で帰るの?」と聞かれた。
「歩きですよー」
「歩きで帰ろうとしたの!?その服で? ゆあ、僕が送っていく」
海さん優しい。
でも、送っていくってなにで……?自転車の二人乗り?
「ありがとうございます、海さん」
「まぁ当たり前だよね。こんな格好の子を歩いて帰らせるとかできない」
海さん、なんでこんな会ったばっかりの私に優しいんだろう。
こんな優しい兄を持つ七海ちゃんがうらやましく思えた。
「すぐ近くにバイクあるからそこまでだけ歩いてね」
……ん、バイク??
「海さんバイク運転出来るんですか?」
「うん」
歩きながら会話をする。
ところで、らなどうしよう……。
「お兄ちゃん達、やっと見つけたーっ!!」
タオルを片手に、七海ちゃんが私達の所へやってきた。
やっぱり七海ちゃんの笑顔が眩しい……。
「はい、ゆあちゃん」
そう言って私にタオルを差し出してきた。
「え?」
「ちょっとでも拭けば寒くなくなるかなと思って、使ってね」
そしてまたニコっと笑う。
この兄妹優しすぎる。私もこうやって人に優しく出来たらいいのに、と思った。
「後、犬はアタシが預かっていいかな。家まで犬連れて行くよ」
すっごい気が利く……。
嬉し過ぎて瞳が少しだけ潤んだ。
「お願いしていい?七海ちゃん」
「もちろん」
そんな会話を交わしてる時、海さんは私の頭にスポっと音がしたようにヘルメットをかぶせた。
「じゃあ、七海。犬をお願い。そしてゆあ!早く乗って」
「はい!!」
「犬は無事にアタシが連れて行くので心配せず~」
リードを七海ちゃんに渡して、バイクに乗る。
「しっかりつかまってろよ?」
「はーい」
こうして私は初のバイクを経験したのだった。
暑いのに、風が心地よく感じる。
そして海さんがカッコイイ。
「ゆあ」
「はい?」
信号待ちをしてる間、海さんに話しかけられる。
「今日、都賀くんと何かあった?」
あ……、そうだった。今日都賀に告白されたんだっけ。
本気で忘れてた。
「んー、告白されたぐらいですね」
「告白?!返事はどうしたの?」
「いいよって言いました……」
丁度信号が青に変わる。
海さんは何かいいかけたけど、私には聞こえなかった。
それから1,2分バイクに乗り、当たり前のように家についた。
「ここだよね?」
「はい!! 海さん、ありがとうございました」
ペコリと頭を下げてお礼を言う。
「いえいえ。じゃあ僕は外にいるから」
「……え?」
私はきょとんとする。
だって外、暑いし家の中はいっていたほうがいいのに。
「七海が犬つれてくるからさ。まぁ、迷子にはならないと思うけど」
「でも……、外暑いですし」
「大丈夫だって。ほら、早く着替えてきなよ」
そんなこと言われましても……。
やっぱり、外で待たせるわけにはいかない。
「海さん、私の部屋で待っててください」
「え??」
「私の部屋からのほうが外よく見えますし」
反対する海さんを半ば強制的に部屋へと連れ込む。
「彼氏さんに悪いよ」などと言っていたが、そんなことは無視した。
「とりあえず、逃げないでくださいね。シャワー浴びてきますから」
「……」
海さんは何も言わない。
流石に嫌だったかな……。でも外で待たせるわけにはいかなかったし……。
「ごめん、女の子の部屋って慣れてなくて……」
意外な海さんの言葉にびっくりする。
「意外……」
「ああもう……、ゆあ!!早くシャワー浴びてきなよ」
ほんのり海さんの顔が赤くなった。
そんな海さんが、やっぱりかわいいなと思った私。
「じゃあ、行ってきます」
そう言って私はお風呂場へと向かって行った。