短編■ ピアスを外して、声で飾って


だから、自分で出来ることも出来ないふりをしたいと思った。


ずっと彼にピアスを外してほしいと思った。

何も出来ない子供のふりをするなんて、お子様だなと思った。





「ばいばい」

「ばいばい、今日は貧乏さんあるね?」

照れ隠しにTVの話をして笑う自分は、まだまだ子供なのかもしれない。



だって、恥ずかしい。




ずっとこのままで居たいと願う。


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