オレンジ色の校舎
「ま、ラッキーな思いをさせてくれてありがたいけどな」
いつの間にかお茶を口にしていた一馬くん。今の状況には似合わない火照りがあたしを包んだ。
その後も一馬くんは、1人の息子としてトシさんを見つめていた。いくら一馬くんが問いかけをしてもトシさんの意識は戻らない。
そして、病室がオレンジ色に染まる時間になっても、変わらなかった。
「今日は巻き込んで悪かったな」
「ううんっ、平気。でも…一馬くんは大丈夫?」
「おう、今日は病院に泊まる。親父の傍にいるから、明日の学校は休む」
そうだよね、一馬くんはトシさんの傍にいなくちゃね。
「……お前がいてくれたからよかった。遥がいなかったら、1人でパニクってた」
「あたしは何も…。でも、何かあったら連絡してね、絶対ね!」
そしてあたしは重い足取りで家に帰った。トシさんが目を覚ますか心配で何も手につかない。
一晩中ケータイを気にしていたけど、一馬くんから連絡が来ることはなかった。
「おはよう、遥」