オレンジ色の校舎





「早く意識が戻るといいね」



「うん。不安だよ…」



「あたしも。初対面の人なのに、こんなにも心配だよ。人間って不思議だね」



本当に…不思議だよ。初対面の人でもいつの間にか仲良くなっていって。



それから特別な感情を抱くようになって、最初の時みたいに接することが出来なくなる。



「……あたし、みんなの飲み物買ってくる。何でもいい?」



「あ、うん」



ゆったりルームから楓ちゃんの姿が消えた。あたしと瀬川くんと一馬くんの3人きり。



正確に言うと、起きてるのはあたしと瀬川くんだけだけど。しかし数分後、瀬川くんが口を開いた。



「…浅井」



「は、はい?」



「カズの親父さんのことが落ち着いたらさ…」



壁にもたれながらあたしを見つめる瀬川くん。微かにあたしの胸は高鳴る。



「浅井に報告したいことがある」



なぜたがわからないけど、胸騒ぎがした。ドキドキが収まらずに、全身の血の巡回が速くなる。






< 525 / 574 >

この作品をシェア

pagetop