オレンジ色の校舎





心から願った。どうか、トシさんが無事に目を覚ましますように。そして、一馬くんが笑えますように。



泣き止むのに時間がかかった。だけど、みんなには悟られないように隠した。



「もうこんな時間か」



辺りは暗くなり、面会時間ギリギリだった。



「今日は助かった。親父はまだ意識は戻ってないけど、何か感じたと思う」



少し睡眠を取った一馬くんは、来たときよりも表情がよかった。



その後も自由登校になったあたし達は、みんなでトシさんの元へ通った。



だけど、未だに目を覚ます気配はなく、一馬くんからはツンケンした態度が見られなくなった。



「ふぅ…」



通い続けて6日目。今日もまた息を整えて病室のドアを開ける。



「おはよう」



一馬くんが振り向いた。みんなの姿はなく、あたしが一番乗りだった。



「……まだ?」



「あぁ。昨日と変わらずな」



寂しそうに笑う一馬くん。意地悪な一馬くんがいなくて…違和感がある。






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