six bottle

古文書

暖炉の炎が赤々と揺れている。お茶を飲みながら、タイムはミールと話をしている…。

「あぁカッコイイ…。魔法騎士!」

「なーに言ってんの!ほら手を動かす!」

「はいはい。」

セージはそう言ってタイムの話を盗み聞きしている。
そして私も…。

窓に近づいて様子を伺う。

「元鍛冶屋のミール師範とお見受けする。」

「昔の話だ…。」

じいさんが鍛冶屋?魔法薬士の家計のはずじゃ…。
「実はある書物を探しているのですが…。二人にも入ってもらいますか。」

ばれてる!後ろに気配を感じて振り返ると紫の狼…。

「お前ら…。」
鉄拳が来るのを覚悟したが来なかった。
「座れ。」

いつものように二人は正座した。

タイムはゆっくりとミールに視線を戻す。
「魔法薬の種についての古文書は今どこに?」

ミールは空になったカップに話すようにした。
「失われた。何もかも。ただ、図書館に…。いや、メボウキを訪ねてみなさい。やつが知らなければここにはない。」


なんか面白くなってきた。
だけどメボウキに会いに行くって。あの偏屈で嫌みな…。陰気くさ~いあの穴蔵みたいな家に。

森の外れで黒い影がこちらを見ているのを誰も知らなかった。




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