Rainy Days


『ねえ、匡人…』


凪はうつ伏せになって顔だけこちらに向けた


「あ?」


『匡人は将来、家を継ぐの…?』


「いきなりなんだよ…」

俺は画面から凪に視線を移した


『紘一さんが会食に呼ぶのって匡人ともビジネスの話がしたいからでしょ?』


「……まあ、そうだな」


パチンと携帯を閉じてサイドボードに置く


凪の言うことは当たってる


今、日本の経済を背負って立っている2人のビジネスに対する話は内容が濃い


聞いといて損はない


『匡人は将来って深く考えたことないの…?』


凪の質問はまだ続く


「ないな。生まれてから俺には東城を継ぐ道しか残されてなかったから」

『そっか…』


凪はぎゅっとシーツを握りしめた


その拍子に髪が顔に落ちてくる




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