ある17歳における不明瞭な愛についての考察

有斗のこと、
すごくすごく好き。





あたしの気持ちは、いつでも有斗に向いてる。


そして、


有斗が生きる世界へ。
有斗が笑う毎日へ。
有斗が生まれた街へ。





あたしは。

あたしは、有斗っていう存在が好きなのかもしれない。


どこがカッコいいとか、ドキドキするとか、そんなのは正直後付け。





有斗が笑ってくれていたら……そして、その笑顔を見ていられたら。

あたしは、それでいい。



ずっとそう思ってきたんだから。

「すきだよっ…！」


ぎゅっと絞り出した言葉は、我ながら思ったよりも切羽詰まったように聞こえた。

あたしがそう思うんだから、きっと有斗にはもっと不安げに聞こえただろう。





だって、ほら。


ありとが苦しい顔、してる





あたしも。