ある17歳における不明瞭な愛についての考察
有斗の右手にそっと触れてみる。
さんざん躊躇って、有斗はあたしの手を握った。
あたしが思ったよりも、有斗の指はゴツゴツしていた。
「ごめん。」
有斗はうつむいたままで呟く。
あたしは、次の言葉を促すつもりでぎゅっと力を手に込めた。
外は相変わらずいい天気。
逆にあたしと有斗がどしゃ降り、ってわけでもないから、経験値の無いあたしには、この状況を何と呼ぶのかはよくわからなかった。
「俺は、ちゆきの友達?」
教室の真ん中で手を握り合ったまましばらくして、やっと有斗がそう言った。