ある17歳における不明瞭な愛についての考察
「……大切なひと」
この人が悲しい思いをしない。
幸せだ、って笑ってくれる。
そのためにあたしが頑張る価値のあるひと。
生まれてきてくれてよかったなあって、
嬉しそうで嬉しいなあって、
あたしに思わせてくれるひと。
「ありとが笑ってくれたら、あたしは嬉しい」
あたしは、有斗をすごく大切に思ってる。
有斗があたしと付き合ってるからじゃない。
有斗があたしの友達で、
テストで勝負したり、ちょっかいかけたり、かけられたり。
そうやって過ごしてた時も、あたしには有斗が大事だった。
大切な友達だった。
有斗は大切なひとだった。