ある17歳における不明瞭な愛についての考察
有斗は、あたしに好きだって言ってくれる。
ぎゅってしてくれる。
有斗は、不安定なあたしを支えてくれる。
そうやって、有斗があたしに触れれば触れる程、あたしはただ有斗が居てくれる幸せを願うことができなくなっていく。
名前を呼んでほしい、触れてほしい、もっと好きって言ってほしい。
───貪欲なあたしは、きっと醜いね。
有斗があたしの大切な「友達」だった頃は、もっと純粋に、透明な気持ちで有斗の幸せを願えていたのに。
感謝できていたのに。
「今から言うこと、聞き流してくれていーから」
あたしが言うと、今度は有斗があたしの手を強く強く握った。あたしの力よりも遥かに強くて、少しだけ手がじん、とした。
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