ある17歳における不明瞭な愛についての考察
「有斗が思ってるよりもずっと、あたし、ありとのこと好きだよ」
そう言ったら、有斗が今さら顔を真っ赤にする。あたしまで恥ずかしくなって、うつむいてしまった。
「───友達だったときも、大事だったよ。有斗が笑ってくれたらそれで良かった」
それでも、りんごみたいに真っ赤なままの有斗は、いつもみたいに照れた素振りで手で口元を隠したりしない。
有斗は、あたしの手を離そうとはしなかった。
「大切なのは変わんない」
有斗の幸せ。笑顔。
「でもっ…!」
でも───今は、
その隣に一緒にいたいんだ。
あたしを好きだって
たくさん言ってほしいんだ。