ある17歳における不明瞭な愛についての考察
愛してくれることを認めたら
あたしはきっと、今よりもずっと有斗を好きになる。
だけど、それは有斗も同じなのかもしれない。
「ん…ま、良いや。」
もう友達とか、良いや。
好きになっても、良いや。
あんなにも悩んだり、痛んだりしたあたしの気持ちが簡単に濾過されて──無理やり固めた気持ちだけが取り払われていく。
後に残るのは、
有斗を好きな気持ち
それだけ。
「泣いたからあんま見んなっ」
あたしの目じりの赤みを有斗が指差したから、思わず口をついて出る可愛くない一言。
きっと目は腫れてるし、見れない顔になってるし………一応、可愛くいたいし。
あたふたとするあたしを見て、有斗は笑った。
「ちゆきが思ってるよりも、俺、ちゆきのこと好きだよ」
そして、
有斗のそんな言葉は、あたしが言ったはずの言葉に重なる。
素直じゃないあたしと、素直じゃない有斗
ふたりの言葉が重なって、溶けて
ひとつになっていく。