あたしの俺様執事様。




涙ばっか流していても
なにもかわらないよね。

あたしは思い切って
口を開いた。





「海斗の…本音が聞きたいの。」


ゆっくり海斗が喋りだす。



「俺…」


すこしの間をあけてから
静かに口を開いた。


「なんでもいえるダチが亮太しかいなかったんだ…。小さい頃からいつだって一緒だった。だから記憶喪失って聞いて…まじでショックだった。思い出せそうって言ってんのに、思い出せねぇって。」



海斗…やっと本音を言って
くれたね?


あたしはうんと返事を
する変わりに、
あたしの右手にのせられた
海斗の左手を握った。


すると、海斗はいきなり
あたしを抱きしめた。



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