ふたりだけの特別な絆
そして、ポロポロと零れてきたのは…涙。
「お、おい…どうしたんだよ!?」
そんな私の様子を見た男の人は驚いたようで、慌てて駆け寄ってきた。
「だっ……だって…、泥棒だと思ったから…さっきは本当に……怖かっ……」
言葉にしている間も、次々と涙が溢れてきてしまった。
見知らぬ人が家の中にいるなんて、思ってもみなかったもん…。
さっきのバッタリと対面した時の恐怖は、心臓が止まりそうなぐらいの衝撃だったんだから…。
グスッと涙をすすりながら泣いてると、男の人は私の目の前にしゃがみこんだ。
「まあ…何も知らされてなかったんだから、陽菜の驚きや怖さは相当だったよな…。」
気まずそうに頭を掻きながら、私に視線を向ける。
「なんか…ごめんな。だから、そんなに泣くなよ…。」
男の人は親指でスッと頬につたっていた涙を拭った。