ひみつのはら

 いつか、ちゃんと分かるのかな。

 分かりたいけど、分かりたくない。へんな気分だ。

 でもこれだけは強く思った。

 「大きくなっても、夢はずっと持ってよう」って。

            ♪

 気付いたら時計の長い針も短い針も11を超していた。

「えっと……12時40分?」

「すご~い、こっちゃん時計読めるの~?」

 へへ、おねえちゃんに教えてもらったんだ。でもさっちゃんはもっと前から読めてたけどね……。

「……あらま、ちょっと惜しかったね。11時40分でした~」

 ―――ふぃ?

「短い針が12の近くだから、ややこしいよね~」

 ま、間違えた……?

 思わず固まるあたしに、慌てたようにみゆきママは提案する。

「そろそろお昼だし、秀くんちと合流しよう」

 そこで来たのは、藤の棚の下の休憩所。藤の花が満開で、紫のカーテンみたい。

 そこに、3人の人影。

「あ、安藤さ~んッ!」

 へぇ、あれがしげるくんのお母さんか。その隣は……。

「しげるのお姉ちゃんだよ。小学3年生」

 お、姉さん?髪の毛が短くて半ズボンだから、男かと思った。

 それとは対照の、髪が長くて色白のしげるくん。こっちはよく女に間違われてる。
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