ひみつのはら

 不思議な姉弟だな。

「こっちゃ~ん、早く~」

 みゆきちゃんの声にハッとして、あたしは走り出す。

 しげるくんとは話した事もない。どうやって乗り切ろう。

 そんなことを心配してたけど、別に平気だった。

 みゆきちゃんがあたし達の間に入ってくれたから。

 きっと本人は気付いてないけど、みゆきちゃんはいつもその場の雰囲気をあったかくしてくれる。

 どんな人にも、こんな〝くらい〟あたしにも、いつも優しい笑顔をくれる。

 だから、あたしは友達になりたいって思ったんだ。

 これからも、ずーっと仲良しでいたいな。

 今のあたしの夢は、これかな。



 お弁当タイムが終わって、しげるくん一家と別れて、再びあたし達は歩き出した。

 その先には―――。

「きゃぁぁぁぁ―――ッ!!!」

 叫んだのはみゆきちゃん。と、周りのみどり幼稚園の子達。

 あたしは叫んでない。というか、これは……。

「うわぁぁぁんっ!!」

「いや―――っ!!」

 それぞれが、それぞれの親にしがみつく。
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