不器用な僕たち

大人の女性って感じで、スーツ姿の涼ちゃんとすごくお似合いだった。

ふと、立ち止まった側にあったビルの玄関の窓ガラスに映った自分の姿を見る。

制服姿で、お化粧すらしていない中学生の私。

こんな私が涼ちゃんの隣りにいると、恋人というよりも妹という立場の方がお似合いだ。


涼ちゃんは声をかけてきた女性と車に乗り込む。

涼ちゃんは運転席に座ると、スーツの上着を脱ぎネクタイを緩める。

そしてシャツの胸ポケットからタバコを取り出し、火を点けた。


たった、それだけの何気ない涼ちゃんの行動を見ていると、胸が締め付けられるように苦しくなる。

大人の涼ちゃん。

……好き……大好き…。

私のこと、子供扱いしないでよ。




朝、学校までの道のり。私は自然と雅人と並んで歩いている。

家を出る時間が一緒で、お互い憎まれ口を叩きながら学校へと向かう。

その日の朝、雅人は私と顔を合わせるなり、突然プッと吹き出した。


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