《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~
 急に恥ずかしくなる。

 とっさの反応で顔を覆う。誰もいないのに。

 もちろん、ルミナミエも誰もいないことは分かっていた。

 ただ・・・


――どうしよう、あんなこと言っちゃった。
   怒っているかな?ねぇ、許してくれるかな?――

 なんというか、大好きな人を傷つけて。

 それで、自分を思ってくれないっとルミナミエは思うと、絶望感を感じる。

 罪悪感を感じる。

 嫌悪感を感じる。

 ルミナミエは髪ををくしゃくしゃにする。

 そして、両手で髪をつかむ。

 とくんとくんと脈を打っていることが分かる。



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