*クリスマスのキセキ*
「俺の女に手ぇ出したのが、悪りぃんだよ!」



 吐き捨てるように、瑛斗は言った。



「羽未は、お前の女なんかじゃない!」



 聖也も負けず言い返す。



「はぁ? 羽未は俺のもんだ!!」



「あたしは、ものなんかじゃない。



お願い…別れて」



 あたしは唇を噛み締めて、頭を下げて言った。



 瑛斗が切れ長の目で見つめた。



優しい、いつもの優しかった瑛斗の顔に戻っていった。
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