執事と共に聖夜を。
「……数字とアルファベット、対応する何かがあるのでしょうか」


かすかにぼやいた春樹の言葉が、恵理夜の手を止めた。


「今、なんて言ったの」

「え、ですから……数字とアルファベット、という……」

「違うわ」


恵理夜の思考に光がさした。


「数字とアルファベットだけに囚われすぎていた。『対応する何か』は考えてなかった……」


恵理夜は、再び引き出しに目を落とす。


「4と6のビデオが並んでて、その隣にあるカセットが……」

「“Please Please Me”ですね」

「対応するアルファベットはきっと4文字目の『a』と6文字目の『e』……」


恵理夜は、その勢いのまま、書き進めて行った。

書き出された数字とアルファベットこのようになった。


4・6・3・5・4・#
a・e・f・d・g・#


「全然、わからないわね」
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