執事と共に聖夜を。
クローゼットには、宝箱のような箱が仕舞われていた。

そして、その中身を検めた途端、部屋の扉が荒々しく開いた。


「恵理夜、義兄さんが残した秘密を見つけたみたいだね」


シラヤナギだった。


「そして、それを隠し、盗もうとしていると聞いたよ」


恵理夜は呆れた。

先ほどの男が、事実無根な報告をしたのだろう。


「叔父様こそ、秘密が欲しくて私をここに連れてきたんでしょう」


すっかり心中を見抜かれ、シラヤナギはしばし黙った。
< 62 / 93 >

この作品をシェア

pagetop