新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
将来の目標に出会ってしまうという、とてつもない好機を得た俺だったが、生来の文系脳は幾度となく落第の危機を俺にもたらした。
その好機を与えてくれた純一郎は、ミュージシャンの道に進み、三回生となった今はもう、殆んど幽霊学生となっている。
「俺、理系には向いてないんだよ。やっと解った」
学食で暗い顔をして話す俺の相手をしてくれているのは坂本深。将来の好敵手である彼だ。
「俺は、リュウの理論構築の素晴らしさは群を抜いていると思う」
彼の声は静かだが、心に染み入って来るようで、俺は安心感で包まれた。
「だけどさ。これって文系の才能じゃん。論文が滅茶苦茶だって、重要なのは扱っている事象とそれを証明する数学的能力じゃん?」
「まぁ確かに」
言葉少なに返されたシンの肯定は、漸く立ち上がりかけた俺の心を、将来の展望もろとも踏み潰した。
「シン、お前なぁ。もうちょっとオブラートに包むとか、ジェラートを乗せるとか出来ないわけ?」