新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「悪い。俺は甘言は苦手でな」
「なんだよ、しっかり解ってて言ってるじゃん」
シンとはゼミは違うが【オカルト研究会】というサークルで知り合った友人だ。
いつも落ち着き払った態度だが、俺のウィットを利かせた冗談を良く理解してくれることで仲良くなった。
「でもリュウ。ガモフのビッグバン理論やファインマンの液体ヘリウムに関する論文なんかは、数式が無かったじゃないか。要は着眼点と閃きだよ」
「まぁ……な……ってでも、俺は卒業すら危ういんだぜ? そんな大発見を出来る能力も幸運もねぇのに……」
「愚痴を聞いてやることしか出来なくてすまんな」
───あっ、愚痴ってた───
シンは言葉少なではあるが、最大限俺を気遣った上で尚、俺に気付きをもたらしてくれる。
周りのヤツラは、頭が良く、女にもモテるシンを煙たがっていたが、俺に取っては今、一番信頼出来る友人だ。
「ゴメン。俺の努力が足りない所為なのに……」
「ちょっとコーヒーのお代わり取ってくる」
シンは俺が吐いた弱音には触れず席を立った。
「今は丁度プラトー期なんだよ。頑張り過ぎるのも身体に毒だ」