新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
シンはあれから、リハビリの甲斐も有ってごく普通の生活を送れるようになった。
本人は「大分運動能力が落ちた」なんて言っているが、元々バイタリティーに溢れた男ではなかったので、実は運動音痴を発作の所為に出来てホッとしているのではないかと俺は見ている。
「ところでどうなんだ? 内定の方は」
就職氷河期と言われるようになった当時に在っても、軽く6社を超える内定を手にしていたシンは、天気の話題でも口にするように聞いてくる。
「お前さあ、解ってるだろ? 俺が普通の進路じゃ満足出来ないってことが」
いつもは細心の注意を払って周りに接している彼からの、剰りに雑な質問に、俺は不快感をあらわにした。
「ふふっ、そうだよな」
そんな俺を、シンはこともあろうに鼻で嗤(ワラ)いやがった。
「なぁにが『ふふっ』だよ。そりゃお前はいいさ。引き手 数多(アマタ)で選択肢も豊富、いざとなりゃ国家公務員だって……」
言葉途中にシンが『研究員募集』のチラシを置いた。
「これって? なにこれ……?」