新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
そしてひと月があっという間に過ぎた。
原口博士は研究に没頭出来るよう、マネージメントを行う部門を設けていたので、博士の死後、研究所の全権限はそこへ移された。
その経営指針には、遺された奥さんの葵さん、娘さんのくるみちゃんに、博士のなし得た功労の対価として一定額の謝礼を払い続けることが明記された。
60名近い関係者達も経営セクションの温情に感銘し、「亡き博士の名前に恥じない運営に勤める」とのCEOの言葉を信じて、また同じ旗の元に団結を誓っていた。
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「リュウ」
「なんだ」
「お前はどうだ? 新経営体制について、納得はいってるのか」
「ん、ああ」
「この計り知れない利潤の中から100万ポッチの金を出すという事だけで、安易に奴らを受け入れていいんだろうか」
「ああ、そうだな」
まるで立場が逆転したように、俺の口数は少なくなってしまった。
目指すべきヒーローを失った痛手は、俺に軽い鬱をもたらしていたからだ。
だが、シンの言葉は少ないが的確な返事とは違い、俺のそれはただの【生返事】だった。