新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「シン。まずはヤツから片付けてしまおう」
「そうだな、リュウ」
俺達はフウカの旦那に目印だと言ってトランスポーターを送り付けた。まんまと約束の場所にやってきた彼は、短い叫びを残して、どこかの世界に送られた。
「あっけない終わりだな」
「ああ、ヤツには似合いの最期だ」
行き先をランダムに設定したので彼の行方は解らない。しかしフウカを3年に渡って苦しめた報いだ。命を取らなかっただけでも感謝されるべきだろう。
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俺たちに課せられた次の仕事は、影を作ったあの世界の原口龍太郎博士の真意を探ることだった。
影から喰われて異世界に送られないよう開発したシャドウ・ブラスター(動く物を察知すると超音波を発生する装置)を携行し、掘削用の重機を伴って影の世界へ調査団を派遣した。
瓦礫に埋まった原口研の跡地を掘り返した我々調査団は、そこに見付けて下さいと言わんばかりに据付けられた、頑丈な金庫を発見した。
博士の誕生日を入力すると簡単に扉は開き、中から博士の日誌が現れたのだ。