新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
夫のことを思い出すだけでゾクリと皮膚が粟立つ。
私は凍りついた頬を何とかゆるめ、女の子に微笑みかけた。
「これ、あなたにあげる」
私は今日まで絶対に外すことの出来なかったその指輪を抜き、彼女に差し出した。
「ホントに?」
女の子の顔がパッと輝いた。
嬉しそうに自分の中指にはめ、眺めている。
私は薬指から結婚指輪を外しただけで、全身が軽くなった気がした。
「ありがとう」
女の子が笑う。
「こちらこそ」
私も思わずそう言って笑った。
「お水、いる?」
彼女が聞いてくる。
「あるの?」
「こっち」
女の子にひっぱられるようにして再び歩き始めた。