新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
私の頭にここ最近の出来事がフラッシュバックしてくる。
フリーメールアドレスに突然届いた勧誘メール。
『よろず承り処』の真っ黒で、鬱々とした画面。
管理人ニスとのやり取り。
ワイングラスに溶け込んでいく、薄いブルーの粉末……。
グルグルと頭を掻き回す様々な映像に立ち眩みがした私は、思わずテーブルの端を掴み、意識が遠退くのを堪えた。
「大丈夫かい? 随分顔色がすぐれないけど……」
私の様子を窺っていたリュウに、優しく問い掛けられた。
「ええ、平気です。少し、貧血気味なので……」
普通なら到底信じられない話だけれど、ここしばらくの間私が感じていた疑問の答えは……多分そこにしかない。
───ここは……別の世界───
「……だけど、私をここに送り込んだのは、その研究所の一体誰なんですか」
リュウを責めるように問い掛けたが、彼は優しく、理路整然と答える。
「それは解らない。協力関係を結んだ研究所は、世界中の主要都市にある。
DNAの解析と同じように時差を利用して各国で研究内容を共有し、開発のスピードアップを図っていて、関係者は裕に千人を越えている」
つまり、特定するのは難しいということ……。