新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「それから二年。私はあの人の人形でした。
一緒に外出する時には新しい服を買い与えられて、美容室へも連れて行かれました。
あの人は私を綺麗に飾り立てて、レストランやパーティーに同伴させるのが好きだったんです」
───人形───
その形容は、容姿の整った彼女に皮肉な程ピッタリだった。
「夜は夫の欲望のまま、裸にされて……。
私を物みたいに扱うあの男に触られるのが、どうしても耐えられなくなって……」
彼女は夫の元から逃げる決意をし、先ずインターネットで犬の飼い主を探したという。
自分のことよりも犬の身を案ずる彼女の優しさに心が動かされた。
「当時、白いチワワは人気があったから、飼いたいという人はすぐに現れました」
次の日には、若い女性が引き取りに来たという。
「夫の留守中、マンションの玄関には外から鍵がかけられてました。だから窓の外側に填まってる柵の間から、リリを差し出したんです。その女の人は随分と不思議そうにしてましたけど……背に腹は変えられなかったんです」
───? どこかで聞いた話だな。
あれは確か……そうだ。研究所の誰かがそんな話をしていた気がする。
その時は興味も無かったし、誰と誰の会話だったのか、覚えてさえいないけど───