ストロベリー革命
 寝る気にもなれず、直はベッドから出た。

 気分転換に机に着いて明日の予習でもやる事にする。

 教科書とノートを開き問題を解いていくが、いつもと違って全然頭に入らない。

「はぁー……。部屋変えてほしいな……」

 口からはとめどなくため息が出てくる。

 母親が理事長なので部屋を変えてくれ、と言うのは簡単だが、そんな事したらルームメイトである天花に、性別がバレたと自ら明かしているのと同じだ。

 考えただけで恐ろしい。

「あっれれー!? 直寝てたんじゃなかったのー?」

 真面目に勉強していたら、天花がお風呂から帰って来た。

「い、今起きたのっ!!」

「じゃあ、あたしが作ったスイートポテト食べてくれたー? 枕元に置いてたやつだよ」

 直は首をコクンと縦に振った。

「美味しかったー? スイートポテトの味がしたっていうのはなしだからねー」

 意地悪っぽく天花は直を追いつめる。

「……お、美味しかった。ありがと……」

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