ストロベリー革命
 意識してしまう直からすれば、天花が男して見てくれないと、どうも暮らしにくい。

 付き合ってもいない思春期真っ盛りの男女が、一緒に暮らすという事は、本人達が思っているよりも難しく、精神的に疲れる。

「ねぇー、もう入っていーい?」

「まだダメッ!!」

 着替えの時はいつもこんな感じだ。



 この日の昼休み、天花は昨日作ったスイートポテト弁当を持って、三組の教室へ向かっていた。

 おにぎり弁当は“おにぎりの味がする”の一言で終わらせられたので、今日は怜華の口から美味しいという言葉が聞きたい。

 教室の前まで来ると怜華の姿を探す。

「おっ、発見しましたぁー」

 怜華は今日も一人で読書をしている。

「なんの本読んでるのー?」

 天花が声をかけると怜華は上を見上げて、

「あなたも読んでみる?」

 と分厚い本を差し出してきた。

 こんなに分厚い本は辞書以外見た事ない。

「読んでみるー」

 天花は本を開くが、そこには難しく活字がいっぱい並んでおり、一気に睡魔が襲ってきた。

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