ストロベリー革命
 今日こそは! と自信があったのに、怜華の反応は昨日と同じ。

 天花のテンションは最低も最低。体中から負のオーラが出ている。

 肩を落として自分の教室へ帰って行った。

 天花がいなくなったあと、怜華は窓際の席まで移動する。

「ねぇ水樹さん。水樹さんは黒河天花とお友達でしょう?」

「えっ、まぁ……そうね……?」

 あまり話した事のないクラスメイトに声をかけられた直は、びっくりしていつもの余裕がどこかへ行った。

「悪いけど、おにぎりとスイートポテト美味しかったって伝えてもらえるかしら?」

「私が?」

「ええ。お願い出来る? 水樹さん普段誰ともつるんでいないのに、黒河天花と仲良いみたいだから。変わり者と聞いていたけれど、本当にその通りね」

「……でもとてもいい子よ」

「知ってるわ」

 それじゃあ、と怜華は自分の席に戻った。

(なんで俺が天花のフォローなんかしてるんだろう……)

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